第90回 東照宮周辺の湧水、冥想の松【青葉区】
- 2010.10.30 Saturday
- 00:37
【訪問日】2010/05/14、10/27
仙台東照宮周辺の湧水を3つほど紹介します。いずれも環境省の湧水データに載っていましたが、最近なぜか仙台市内のデータだけ消されてしまいました。
まずは小松島不動尊。
小松島4丁目、東北高校前バス停がある場所にあります。このバス停、当時は旭ヶ丘駅と泉松陵高校を結ぶ平日1往復のバスしか停まりませんでした。現在はその路線自体が廃止されています。
不動尊像が湧き水をかぶっておられました。湧き水の水位が下がってきているそうで、モーターで組み上げているそうです。ホウキやチリトリが置いてあり、地域の人がちゃんと来ているのがわかりました。…鈴は壊れてますが。
大きな山神碑。すぐ右側には取れた鈴。
この不動尊は中山鳥滝不動尊の分霊なのだそうです(『仙台城下の湧水』P42)。
お次は親孝行井戸。
こちらも宮町5丁目のバス停があるところ、銀行が入っているビルの一角に位置します。名前の由来は残念ながら不明。
水神様の祠。地蔵尊もあるそうですが見当たりませんでした。ビルの冷房および雑用水に使われているそうです。
さて、それでは最後に殿様清水をご覧いただこう…
殿様清水が湧くと言われる公園にやってきた。右奥の建物は五城中。それでは公園の中に足を踏み入れることにしよう。
この写真の中に、殿様清水が湧いている。わからない方のために、もっと近くで撮ったものが次の写真である。
…おわかりいただけたであろうか。写真中央、地面の色が黒くなっているところがそうである。そこにはおよそ「湧水」、ましてや「清水」と呼べないものがあった!
…決して雨で湿ってるとかじゃないんです。手前の排水溝も、この場所を公園化するときに湧水を保護するために設けられたものなんです。…保護?最初に訪れたとき、まさかこれだとは思いませんでした。
名前の由来は、その名の通り茶の湯に使うために城からここまで水を汲みに来ていたからなんだそうです。昔はもっともっと湧いていたんでしょうね。
<追記その2>
どうやら2枚目の写真手前に写っている、集水枡の中に湧いているのが殿様清水なのだそうです。大変失礼いたしました。…まあどっちにしろ湧き水とは呼べない気がしますが。
<追記その1>
ついでに冥想の松にも行ってきました。【地図】
冥想の松。東北薬科大学の敷地内にありますが、自由に立ち入ることができます。
明治の文豪である高山樗牛(たかやまちょぎゅう)が、旧制二高で学んでいたときかなわぬ恋を嘆き、この松の下で冥想にふけったことから名づけられたとされています。
…が、郷土資料によれば、樗牛がこのような行動をとった真偽を確かめる資料は一切ないのだそうです。当時の二高は片平丁にあり、未開の地であったこの台原の地までわざわざ足を伸ばしたとは考えにくいこともあり、後年に作られた伝説ではないか、とありました。
冥想の松のかたわらにある土井晩翠の歌が刻まれた石碑。『いくたびか ここに真昼の 夢見たる 高山樗牛 冥想の松』。
冥想の松から市街地を望む。家とビルしか見えませんでした。
その一方でなんですかこの、殿様清水の情けなさは。これじゃ殿様清水だって湧く気がなくなるよ(笑)
ちなみに殿様清水は別名「おすず清水」とも呼ばれている。詳しいことはよくわかりませんが、ここで毎回、殿様のために水を汲んでいた方の名前かな?
僭越ながら、
「おすず」というのは、涼しいからきているのではないでしょうか?
宮城野区清水沼が、昔は綺麗な清水が湧いていて、其の清涼さで「すずぬま」とも呼ばれていました。
そのすずは、涼しいという意味もあったようです。
殿様に献上するにで、涼しい清水に「御」を付けて、
「おすず清水」になったのではないでしょうか・・・。